西郷隆盛の名言集(3)
名言21
世の中で、人からそしられたり誉められたりするといったことは、塵のように儚く消え去ってしまうものである。
名言22
小人は己を利せんと欲し、君子は民を利せんと欲す。
己を利する者は私、民を利する者は公なり。
公なる者は栄え、私なる者は亡ぶ。
名言23
税を軽くして国民生活を豊かにすれば、国力を養うことになる。
だから国が多くの課題を抱え、財政の不足で苦しくなったとしても、税の定まった制度をしっかり守り、政府や上層階級が損を我慢して、下層階級の人々を苦しめてはならない。
名言24
正しい道を踏み、国とともに倒れてもよいというほどの精神がなければ、外国との交際を成し遂げることはできない。
外国の強大なことに恐れをなし縮こまり、ただ円満に事を収めることを主として、自国の真意を曲げてまで、その国のいいなりになるのなら、軽蔑や侮りを受け、親しい交わりがかえって破れ、しまいにはその国に制圧されるに至るであろう。
名言25
広く諸外国の制度を取り入れ、文明開化をめざして進もうと思うならば、まず我が国の本体をよくわきまえ、道徳心を高めることに努め、そのうえで、徐々に外国の長所を取り入れるべきである。
ただみだりに模倣すると、国体は衰え、徳も廃れて、救いようがなくなってしまい、結局は外国の支配を受けるようなってしまうのである。
名言26
正論では革命をおこせない。
革命をおこすものは僻論である。
名言27
急速は事を破り、寧耐は事を成す。
名言28
命もいらぬ、名もいらぬ、官位も金もいらぬというような人物は処理に困るものである。
このような手に負えない人物でなければ、困難を共にして、国家の大業を成し遂げることはできない。
しかし、このような人物は普通の人の眼では見抜くことができぬと言われるので、それでは孟子が「仁という広い家に住み、礼という正しい位置に立ち、義という大道を歩む。もし、志を得て用いられたら民と共にその道を行い、志を得ないで用いられなければ、独りでその道を実践する。そういう人は、どんな富や身分もこれを汚すことはできないし、貧しく身分が低いことによって心がくじけることもない。力をもってもこれを屈服させることはできない」と言っていますが、このような人物がいま仰せられたような人物のことでしょうかと尋ねると、その通りだ、真に道を行う人でなければ、そのような姿にはならないものだと答えられた。
名言29
人を言いくるめて、陰でこそこそ事を企てる者は、たとえそれがうまくいったとしても、物事を見抜く力のある者から見れば、醜いことこの上もない。
人に提言するときは、公平かつ誠実でなければならない。
公平でなければ、すぐれた人の心をつかむことはできないものだ。
名言30
どんなに制度や方法を論議しても、その適任者がいなければうまく行われない。
その人あって初めてその方法が行われるのだから、人こそが第一の宝であって、自らがそういう立派な人物になろうとする心がけが大事なのだ。
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