エーリッヒ・フロムの名言39選!「自由からの逃亡」、「愛するということ」などを紹介

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エーリッヒ・フロムは、「人間は自由を求め、しかし自由になることを恐れる」という矛盾した存在であると認識していました。彼の名言には、「真に裕福な人とは、自分が持っている以上のものを望まない人たちだ。」、「自分に与えなければならない課題とは、安心感を抱くことではなく、不安定な状況にも耐えられるようになることである。」などがあります。

エーリッヒ・フロムの人生

カテゴリ詳細
本名エーリッヒ・フロム
生年月日1900年3月23日
出生地ドイツ、フランクフルト
教育ハイデルベルク、フランクフルト、ミュンヘンの大学、ベルリンで精神分析学
職歴社会心理学者、精神分析学者、ヒューマニズム思想家
主な著作『自由からの逃走』『正気の社会』『愛するということ』
その他の業績実存主義の提唱
死去1980年3月18日、スイス
エーリッヒ・フロムの略歴

エーリッヒ・フロムは、1900年3月23日にドイツのフランクフルトで生まれました。彼はハイデルベルク、フランクフルト、ミュンヘンなどの大学で学び、その後ベルリンで精神分析学を学びました。彼はフランクフルト社会研究所を経て、1933年にアメリカに渡り、その後帰化しました。彼は社会心理学者、精神分析学者、ヒューマニズム思想家として知られています。特に彼の功績としてマルクス主義とジークムント・フロイトの精神分析を社会的性格論で結び付けたことで知られています。彼の代表作には『自由からの逃走』『正気の社会』『愛するということ』などがあり、彼の思想は、人間の自由を束縛や強制からの解放を求める消極的な自由と、愛や自発的な仕事によって世界や他者との連帯へと向かう積極的な自由に分けられます。彼はまた、人間が原初的な関わりを断ち切ることは世界の中で孤立し、孤独を増大させることを意味すると述べています。1980年3月18日にスイスで亡くなりました。

エーリッヒ・フロムの思想

彼の思想の特徴は、フロイト以降の精神分析の知見を社会情勢全般に適応したところにあります。彼の代表作とも言える『自由からの逃走』では、ファシズムの心理学的起源を明らかにし、デモクラシー社会が取るべき処方箋が明らかにされています。人々は自由を得たにもかかわらず、その分だけ、孤独や不安が人々を取り囲んでいったとフロムは指摘します。その結果、自由から逃避してナチスのファシズムに吸収され、服従や従属をみずから求めたと説明しています。また、フロムは社会や文化が個人の心理におよぼす影響を考察し、社会の政治的・経済的な条件のもとに形成された性格を社会的性格と呼びました。彼は、社会のあり方には、その社会の中の個人の生活様式によって、個人の性格が作られていくとした。フロムは、自由を消極的自由と積極的自由に分け、消極的自由とは一時的絆から解き放された自由であり、孤独や不安を背負うと説明しています。しかし積極的自由は全体的なパーソナリティの自発的な行為のうちに存在するとした。積極的自由を得るためには、自らを社会の中に積極的に参加し、自分の全存在と責任ある選択をすること、それがフロムが考えた自由の意味であると説明しています。

フロイトについて詳しく知りたい方は下記リンクを参考にしてください。

「自由からの逃亡」(The Fear of Freedom)

自由からの逃走

エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』は、1941年に発表された社会心理学の書籍です。この本は、自由が与えられた大衆の行く末に関する概念を探求しています。フロムは、自由という概念を「〇〇からの自由」と「〇〇への自由」の2種類に分類しています。前者は第一次的絆(たとえば親子関係や中世の封建制社会など社会的な制度的な絆)からの自由を意味し、後者は個人が個人的自我を喪失せず、個人的自我を確立させ、思考や感情や感覚などの表現ができるような状態を意味します。フロムは、自由から逃避するメカニズムとして権威主義的性格、破壊性、機械的画一などを挙げています。彼は、自由から逃避する人々は、権威主義的性格を社会的な集団として有していると指摘しています。この性格の持ち主は権威を好みます。一方で「権威をたたえ、それに服従しようとする」と同時に、他方では「自ら権威であろうと願い、他のものを服従させたいとも願っている」。フロムの研究は、自由について書かれており、自由と孤独について書かれているが、自由であることに義務や責任を受け止めるべきたということは書かれてはなく、人間の意識と無意識について、歴史的な出来事などから考察しています。この本は、自由についての広範な研究の一部であり、主に自由についてがテーマになっています。社会過程の力学を理解するには、個人の心理的過程の力学を理解することで理解できることをポイントにしています。社会過程での個人の心理的過程について強調されていて、これはフロイトの発見、人間の心理に無意識の力が作用していて、その無意識的な作用は外界の影響を受けていることの発見に基づいています。

「愛するということ」

エーリッヒ・フロムの「愛するということ」の要約を読みやすい形でまとめてみます。

  1. 愛の本質は「与える」こと:フロムは、愛の本質は自分から「与える」ことだと述べています。自分の喜び、興味、理解、知識、ユーモア、悲しみなど、自分の中に息づいているものすべてを与えることが、自分の持てる力の最も高度な表現であり、自分の持てる力と豊かさを実感する行為だと説明しています。
  2. 全ての人を愛すること:フロムは、「ひとりの人を本当に愛するとは、すべての人を愛することであり、世界を愛し、生命を愛する」ことだと述べています。
  3. 愛するための練習:愛するためには、自分で経験する以外にそれを経験する方法はなく、規律、集中、忍耐の練習を積まなければならないとフロムは説明しています。
  4. 信じること:フロムは、「人を愛するということは、何の保証もないのに行動を起こすことであり、こちらが愛せばきっと相手の心にも愛が生まれるだろうという希望に全身を委ねることである」と述べています。つまり、愛は人類を信じ、信じるという行為に身を投じることだと説明しています。

恋愛についての名言を下記にまとめてますので、良かったら合わせてお読みください。

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【恋と愛って何?】恋愛に関する名言10選!片思い

エーリッヒ・フロムの名言集(1)

名言1

真に裕福な人とは、自分が持っている以上のものを望まない人たちだ。

名言2

自分に与えなければならない課題とは、安心感を抱くことではなく、不安定な状況にも耐えられるようになることである。

名言3

集中力を身につけるためには、くだらない会話をできるだけ避けることが大事だ…
くだらない会話を避けることに劣らず重要なのが、悪い仲間を避けるということである。

名言4

愛は、愛する人の成長と幸福を積極的に求めることである。

名言5

愛するということは、なんの保証もないのに行動を起こすことであり、こちらが愛せばきっと相手の心にも愛が生まれるだろうという希望に、全面的に自分をゆだねることである。
愛とは信念の行為であり、わずかな信念しかもっていない人は、わずかしか愛することができない。

名言6

現代人は、ものごとを急いでしないと、何か、つまり、時間を損したような気持ちになる。
しかし、時間つぶし以外には、浮かせた時間をどう使っていいのかは分からないのである。

名言7

自分自身を信じている者だけが、他人にたいして誠実になれる。

名言8

権力欲は強さでなく弱さに根ざしている。

名言9

たいていの母親は「乳」を与えることはできるが、「蜜」も与えることのできる母親はごく少数しかいない。
蜜を与えるためには、母親はたんなる「良い母親」であるだけではだめで、幸福な人間でなければならない。

名言10

一人でいられる能力こそ、愛する能力の前提条件なのだ。

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