吉川英治の名言集(2)
名言11
どの青年もおしなべて情熱との戦いを繰り返しながら成長して行くのに、君は不幸だ。
早くから美しいものを見すぎ、美味しいものを食べすぎているということは、こんな不幸はない。
喜びを喜びとして感じる感受性が薄れていくということは、青年として気の毒なことだ。
名言12
いくら年をとり、知識を積んでも、人間には、人間本来の迷いの火ダネが、白骨になるまでは、なくならないものらしい。
名言13
禍はいつも幸福の仮面をかぶって待っている。
名言14
人間とは一日中に何百遍も菩薩となり悪魔となり、たえまなく変化している。
名言15
無智はいつでも、有智よりも優越する。
名言16
自分といえる自分などが、どこにあろう。
ないはずのものを、あなたは、つかもうとしておいでられる。
名言17
近頃の人は、怒らぬことをもって知識人であるとしたり、人格の奥行きと見せかけたりしているが、そんな老成ぶった振る舞いを若い奴らが真似するに至っては言語道断じゃ。
若い者は、怒らにゃいかん。
もっと怒れ、もっと怒れ。
名言18
あたたかい心で人のなかに住め。
人のあたたかさは、自分の心があたたかでいなければ分かる筈もない。
名言19
晴れた日は晴れを愛し、雨の日は雨を愛す。
楽しみあるところに楽しみ、楽しみなきところに楽しむ。
名言20
行き詰まりは展開の一歩である。
コメント