三島由紀夫の名言集(6)
名言51
たいてい勇気ある行動というものは、別の在るものへの怖れから来ているもので、全然恐怖心のない人には、勇気の生まれる余地がなくて、そういう人はただ無茶をやってのけるだけの話です。
名言52
復興には時間がかかる。
ところが、復興という奴が、又日本人の十八番なのである。
どうも日本人は、改革の情熱よりも、復興の情熱に適しているところがある。
名言53
精神を凌駕することのできるのは習慣という怪物だけなのだ。
名言54
夕日とか菫の花とか風鈴とか美しい小鳥とか、そういう凡庸な美に対する飽くことのない傾倒が、女性を真に魅力あるものにするのである。
名言55
現状維持というのは、つねに醜悪な思想であり、また、現状破壊というのは、つねに飢え渇いた貧しい思想である。
名言56
あらゆる文章は形容詞から古くなっていく。
名言57
裏切りは友情の薬味であって、コショウかワサビみたいなものであり、裏切りの要素もその危険も伏在しない友情など、味がないと思うようになるとき、諸君はまず、青年のセンチメンタリズムを脱却した、一人前の大人になったと云えましょう。
名言58
感傷といふものが女性的な特質のやうに考へられてゐるのは明らかに誤解である。
感傷的といふことは男性的といふことなのだ。
名言59
自分の顔と折合いをつけながら、だんだんに年をとってゆくのは賢明な方法である。
名言60
男性操縦の最高の秘訣は、男のセンチメンタリズムをギュッとにぎることだ。
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