三島由紀夫の名言集(7)
名言61
時の流れは、崇高なものを、なしくずしに、滑稽なものに変えてゆく。
名言62
生命尊重のみで、魂は死んでもよいのか。
名言63
傷つきやすい人間ほど、複雑な鎧帷子(よろいかたびら)を身につけるものだ。
そして往々この鎧帷子が、自分の肌を傷つけてしまう。
名言64
日本という国は、自発的な革命はやらない国である。
革命の惨禍が避けがたいものならば、自分で手を下すより、外力のせいにしたほうがよい。
名言65
女性は先天的に愛の天才である。
どんなに愚かな身勝手な愛し方をする女でも、そこには何か有無を言わせぬ力がある。
名言66
ヒットラーは政治的天才であつたが、英雄ではなかつた。
英雄といふものに必要な、爽やかさ、晴れやかさが、彼には徹底的に欠けてゐた。
ヒットラーは、二十世紀そのもののやうに暗い。
名言67
エチケットなどというものは、俗の俗なるもので、その人の偉さとは何の関係もないのである。
名言68
女の部屋は一度ノックすべきである。
しかし二度ノックすべきじゃない。
そうするくらいなら、むしろノックせずに、いきなりドアをあけたはうが上策なのである。
名言69
男の嫉妬の本当のギリギリのところは、体面を傷つけられた怒りだと断言してもよろしい。
名言70
好奇心には道徳がないのである。
もしかするとそれは人間のもちうるもつとも不徳な欲望かもしれない。
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