芥川龍之介の名言集(5)
名言41
文を作るのに欠くべからざるものは、何よりも創作的情熱である。
名言42
僕は芸術的良心を始め、どういう良心も持っていない。
僕の持っているのは神経だけである。
名言43
天才の悲劇は「小ぢんまりした、居心地のよい名声」を与えられることである。
名言44
自然を愛するのは、自然がわれわれを憎んだり、嫉妬しないためでもない事はない。
名言45
完全に自己を告白することは、何びとにも出来ることではない。
同時にまた、自己を告白せずには如何なる表現も出来るものではない。
名言46
女は常に好人物を夫に持ちたがるものではない。
しかし男は好人物を常に友だちに持ちたがるものである。
名言47
我々はあらゆる女人の中に多少のマリアを感じるであろう。
同時に又あらゆる男子の中にも –。
いや、我々は炉に燃える火や畠の野菜や素焼きの瓶や厳畳に出来た腰かけの中にも多少のマリアを感じるであろう。
名言48
わたしは良心を持っていない。
わたしの持っているのは神経ばかりである。
名言49
道徳の与えたる恩恵は時間と労力との節約である。
道徳の与えたる損害は完全なる良心の麻痺である。
名言50
古人は神の前に懺悔した。
今人は社会の前に懺悔している。
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