「花の命は短くて…」あまりにも有名なこの言葉の主、林芙美子。貧しさや苦悩の中から紡ぎ出された彼女の言葉は、今も私たちの心を捉えます。人生に迷ったとき、そっと背中を押してくれる名言に触れてみませんか?
花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき
林芙美子 名言 花の命は短くて
林芙美子ってどんな人?
項目 | 詳細情報 |
本名 | 林 フミ子(はやし ふみこ) |
生年月日 | 1903年(明治36年)12月31日 (戸籍上の記録。実際は5月5日説など諸説あり) |
没年月日 | 1951年(昭和26年)6月28日 (満47歳没) |
出生地 | 福岡県門司市(現:北九州市門司区)※山口県下関市説もあり |
育った地 | 九州各地、広島県尾道市など |
デビュー作 | 『放浪記』(雑誌『女人芸術』連載開始は1928年、改造社より書籍化は1930年) |
代表作 | 『放浪記』、『風琴と魚の町』、『清貧の書』、『晩菊』、『浮雲』など |
死因 | 心臓麻痺(心臓発作) |
林芙美子(本名:フミ子)は、1903年(明治36年)、戸籍上は福岡県門司市(現:北九州市門司区)に生まれました(出生地には諸説あり)。実父を知らず、母キクと行商人であった養父・宮田麻太郎と共に、幼少期は九州各地を転々としました。この不安定な生活の中で、小学校を何度も転校するなど、貧しい暮らしを経験します。その後、広島県尾道市に比較的長く住むことになり、1922年(大正11年)に尾道市立高等女学校(現:広島県立尾道東高等学校)を卒業。在学中から文学に強い関心を持ち、投稿活動を始めていました。卒業後は作家を志して上京しますが、職を転々とし、極貧の生活を送ります。カフェの女給、工場労働者、事務員などを経験し、当時の日記が後に代表作『放浪記』となります。1928年(昭和3年)から雑誌『女人芸術』に『放浪記』の連載を開始すると、その赤裸々な描写が大きな反響を呼び、1930年(昭和5年)に書籍化されるとベストセラーとなり、一躍流行作家の仲間入りを果たします。その後、画家である手塚緑敏と事実上の結婚生活に入り(入籍は戦後)、公私ともに充実した時期を迎えます。『風琴と魚の町』『清貧の書』など次々と作品を発表し、人気作家としての地位を確立。戦時中は、新聞社の特派員(従軍作家)として中国大陸や東南アジアへ赴きました。戦後も精力的に執筆活動を続け、『晩菊』で第3回女流文学者賞を受賞。晩年の代表作となる『浮雲』などを発表し、人気は衰えることがありませんでした。しかし、過労がたたり、1951年(昭和26年)6月28日、心臓麻痺により47歳で急逝しました。その葬儀委員長は、作家の川端康成が務めました。林芙美子の作品は、自身の体験に基づいた庶民の生活や女性の生き様を描き、今なお多くの読者に愛されています。
林芙美子の苦労エピソード
林芙美子の人生は、幼少期から晩年まで、多くの困難や苦労に彩られていました。
- 不安定な幼少期と貧困:実父を知らず、行商人の養父と母と共に九州各地を転々とする生活を送りました。そのため小学校も何度も変わり、貧しい暮らしを強いられました。当時の体験は、後の作品にも大きな影響を与えています。
- 尾道での生活と文学への目覚め: 広島県尾道市に比較的長く住み、高等女学校時代には文学に目覚め、校友会誌や地方新聞に作品を投稿するようになります。しかし、卒業後は経済的な理由で進学を断念せざるを得ませんでした。
- 上京後の極貧生活:作家を志して上京したものの、仕事は長続きせず、カフェの女給、セルロイド工場の女工、事務員、露天商など、様々な職を転々としました。その日の食事にも事欠くような極貧生活を送り、この時期の体験や心情が代表作『放浪記』の基盤となりました。家賃滞納や借金も日常茶飯事だったと言われています。
- 恋愛と生活の苦悩:恋人との同棲生活も、相手の浮気や経済的な困窮などから破綻することが多く、精神的にも不安定な時期を過ごしました。
- 作家としての成功後の葛藤:『放浪記』で一躍人気作家となった後も、自身の出自や学歴に対するコンプレックス、また流行作家としてのプレッシャーに悩まされることもあったようです。
- 戦争協力への批判:戦時中は従軍作家として各地へ赴きましたが、戦後、その活動について戦争協力者として批判されることもあり、苦悩しました。
これらの苦労を乗り越え、林芙美子は自身の体験や感情を赤裸々に文学作品へと昇華させ、多くの読者の共感を得ました。
林芙美子の名言集(1)
名言1
生きているのだから、悲しいのはあたりまえ。 (『放浪記』)
名言2
どんなに落ちぶれても、誇りだけは失いたくない。
名言3
私は、自分の力で生きていきたい。
名言4
どんなに苦しくても、生きている限りは希望がある。
名言5
過去はどんな事をしても取り返すことは出来ない。ただ現在の一瞬間一瞬間に全力を傾注して生きて行くだけだ。
名言6
貧しさは、私を強くしてくれた。
名言7
悲しみを知らない人間は、幸福の何であるかもわからないだろう。
名言8
私は、私の書いたものがすべて好きです。たとえそれが下手でも、駄作でも。
名言9
女はいくつになっても夢を見るものだ。
名言10
花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき。 (色紙に書かれた言葉として有名)
コメント