「メロスは激怒した。」この力強い言葉から始まる『走れメロス』は、正義と友情を貫く物語です。信じることの尊さ、約束を果たす勇気が詰まった名言は、今の時代にも響くものばかり。本記事では、そんな心に刻まれる名言を深掘りしていきます。
「メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。」
走れメロス 名言 激怒
走れメロスってどんな話?
『走れメロス』は、太宰治の短編小説で、友情と信義をテーマにした物語。主人公のメロスは、暴君ディオニスが人を信じないことに憤り、暗殺を試みるが失敗して捕まる。彼は自らの潔白を証明するため、妹の結婚式に出席した後、必ず戻ると誓い、親友セリヌンティウスを身代わりとして残す。王は三日後の日没までに戻らなければ、セリヌンティウスを処刑すると約束する。メロスは奔走するが、途中で様々な困難に遭い、疲労や自然の障害、悪人の妨害に苦しむ。しかし、親友との約束を果たすために必死で走り続け、ついに処刑寸前に間に合う。彼の誠実さに感動した王は、二人の友情を認め、処刑を取りやめて人を信じることを決意する。
名言「メロスは激怒した」
「メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。」
走れメロス 名言 激怒
解説:この一文は『走れメロス』の冒頭部分であり、メロスの強い正義感と怒りを象徴する言葉です。彼は暴君ディオニスの専制政治に憤り、「人を信じることができない」という王の姿勢に真っ向から挑戦しようとします。ここでの「激怒」は単なる感情的な怒りではなく、「正義のための行動」へと昇華される原動力となっています。この決意が物語全体の基盤となり、メロスの試練や成長を描く展開につながっていきます。この言葉は、「理不尽に対する怒り」と「信念を持って行動することの重要性」を表しており、現代でも「正しいことのために立ち上がる勇気」を示す象徴的なフレーズとなっています。
類似する名言
「義を見てせざるは勇無きなり。」
論語 名言
解説:孔子の『論語』にある言葉で、「義(道理にかなったこと)を見て行動しないのは勇気がない証拠だ」という意味です。『走れメロス』のメロスは、暴君の不正を見て黙っていられず、行動を起こします。この名言は、正義を見極め、行動することの大切さを説いており、メロスの決意とも通じるものがあります。
「不正に対して沈黙することは、それを容認することである。」
マルティン・ルーサー・キング・ジュニア 名言
解説:アメリカの公民権運動を率いたキング牧師の言葉で、社会の不正や不公平を見過ごすことは、それを許すのと同じだという意味です。メロスも、王の暴政を見過ごせず、立ち上がります。どんな時代でも、正義のために行動する勇気が必要であることを示しており、『走れメロス』の精神と一致するメッセージです。
「信念を貫く者は、たとえ孤独でも最後には勝利する。」
ガンジー 名言
解説:インド独立運動の指導者であるガンジーの言葉で、真の信念を持ち、それを貫き続ける人は、どんな苦難の中でも最終的には勝つ、という意味です。メロスも、仲間を信じ、自らの信念に従って最後まで走り抜きます。彼の行動は、信念の強さが試される場面の連続ですが、最終的に王の心を動かし、勝利を収めます。この名言は、メロスの生き様と非常に似ています。
走れメロス名言集(1)
名言1
若い時から名誉を守れ
名言2
亭主との間に、どんな秘密でも作ってはならぬ。おまえに言いたいのは、それだけだ
名言3
私は生れた時から正直な男であった。正直な男のままにして死なせて下さい
名言4
走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題ではないのだ。人の命も問題ではないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいもののために走っているのだ
名言5
肉体の疲労恢復と共に、わずかながら希望が生まれた。義務遂行の希望である。わが身を殺して、名誉を守る希望である
名言6
私に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さい。たった一人の妹に、亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私は村で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ます
名言7
メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮らして来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった
名言8
人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ
名言9
正義だの、真実だの、愛だの、考えてみれば、くだらない。人を殺して自分が生きる。それが人間世界の定法ではなかったか
名言10
私にはいのちの他には何も無い。その、たった一つの命も、これから王にくれてやるのだ
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